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個を活かす企業―自己変革を続ける組織の条件

スマントラ ゴシャール
個を活かす企業―自己変革を続ける組織の条件
定価: ¥ 2,520
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個を活かす企業―自己変革を続ける組織の条件

企業変革の道筋を示す
「企業は、従業員ひとりひとりの意識と行動が変わらない限り、変われない。」この一見当たり前のことを忘れ、どれほどの企業が組織構造や評価・報酬制度などのハードウェアばかりをいじることに没頭していることだろうか。
本書で興味深い指摘は、キャノン、3M、ABBという成功事例をひいて、これらの企業の組織構造が実は官僚的なヒエラルキーであったり、過剰なまでに複雑なマトリックス組織であったり、必ずしも洗練されているとはいえない、という点である。それでも、現場への徹底した分権化により従業員ひとりひとりの起業家精神を解放し、一方で社内の横のつながりを制度化し、トップが目的を示してストレッチを生み出す、という変革のカギが「現場レベル」「ミドルレベル」「トップレベル」で押さえられていれば、変革は成功する、と説く。マネジメントの役割は、管理と統制で現場を締めつけることではもはやないのだ。
大企業のヒエラルキーの最下層で営業マンとして働いていた頃、「なぜ、顧客から一番遠いトップマネジメントまで、いちいちお伺いを立ててハンコ8つももらわなきゃ決められないんだ?顧客のニーズを一番知ってるのは自分なのに!」とじりじりしていたのを思い出す。意思決定は現場に委譲すべし、というエンパワーメントの議論も本書では当然なされているが、それが単なる自由放任に終わらないよう、トップは目的を示し、ミドルは現場のコーチとして支援に回る。各レベルのマネジャーの役割を再定義している。
企業の事例が豊富で内容も濃い。一読しただけでは頭に入れるのは困難に感じるほどだが、良書です。

会社と<未来を共有する>ために・・・
本書は、個人と組識の新しい関係として「新しい道徳契約」に基づく、チーム型の組識を提案しています。 「新しい道徳契約」とは、エンプロイアビリティ(雇用される能力)に基づく契約のこと。旧来からの雇用保障契約が個人を組識に従属させるのとは異なり、組識が個人の能力開発に責任を持つことで忠誠を得るというものです。
ただし、新しい契約も旧来からの契約も、共通しているのは組識と個人は<未来を共有する関係>であるという点です。この関係の端的な例が<終身雇用>です。(参考:<未来を共有する関係>については、<ぬるま湯の研究>で有名(?)な東京大学の高橋伸夫教授がおもしろい研究をしています。「経営管理」高橋伸夫 他/有斐閣アルマ/1999年/第12章:育てる経営の管理へ、「別冊宝島373・経営学入門」宝島社/1998年/日本企業の意思決定原理としての<未来傾斜原理>(P267)「日本企業の意思決定原理」高橋伸夫/東京大学出版会/1997年)私も会社に辞表を出してから退社するまでの数ヶ月間、在籍中には感じなかった<未来の重さ>というものを感じました。
「経営革命大全」J・ボイエット他【監訳】金井壽宏/日本経済新聞社/1999年、によると、著者らは、リーダーシップの「権威(guru)」だそうです。

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